介護ソフトの選び方 たくさんある介護ソフトだが、どれを選べばよいのか? パッケージソフトとASPに焦点を当てて比較しよう。

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パッケージソフトとASPサービス

介護ソフトには大きく分けて、パソコン単体にインストールして使用する「パッケージソフト」タイプとインターネットを介してアプリケーションソフトをレンタルする「ASP」タイプの二通りのものが存在する。
どのタイプを選ぶかは、各タイプに機能性能的な得手不得手があり、価格差も大きいので吟味する必要があるだろう。

パッケージソフト・タイプ

使用形態によって二通りに分かれる。

使用形態1:スタンド・アローン(パソコン単体にインストール)
使用形態2:クラアイント・サーバ・システム(通称クラ・サバ、C/S)

 使用形態の違いは、一人あるいはパソコン1台でしか使用しないのであれば“スタンド・アローン”で充分だが、パソコンは“壊れるもの”“トラブルが起こるもの”ということを前提にすると、データを全て失うという危険リスクがある。これを回避するためにデータバックアップを日常的に行う必要がある。しかし、日常的行ったとしても100%回避できるわけではない。
 また、パソコン1台でソフトウエアを何人かのスタッフが使うとなると、パソコンに“行列”という「パソコン空き待ち残業」が発生することにもなりかねない。一人が専任で行った場合は、そのスタッフへの偏重することで、さまざまなトラブルを生む原因にもなる。

 スタンド・アローンを選択する場合は、通常のパソコンではなく、サーバ仕様のパソコン(ハードディスクの冗長化)を使用すれば、リスクと手間は回避できる。この場合、RAIDコントローラーを組み込んで2つ以上のハードディスクに同時に書き込みをすることになるので、通常のパソコンよりも少なくとも15〜20万円程度は余分に費用が掛かる。

 最近は、外付けのハードディスクとバックアップソフトの高機能化と低価格化による恩恵もあり「自動バックアップ」することで、データ損失のリスクを低予算で適えてくれる。しかし、100%リスクの回避ができないことは上述の通りではある。

 上記のリスクと手間、そして業務処理の無駄を回避するために、“クラ・サバ”という使用形態を利用することになる。この場合のコストは2倍以上に跳ね上がることを覚悟する必要がある。
上記の使用形態によるコストを単純に比較すると、下記の表になる。
使用条件は、居宅と訪問介護を行う事業所とする。

  スタンド・アローン クラ・サバ
パソコン使用 サーバ機使用 サーバ+PC3台
サーバ機(ソフト付) --- 40万円 40万円
パソコン 10万円 --- 30万円
ソフトウエア 100万円 100万円 220万円
保守(6万円/年) 48万円 48万円 192万円
4年合計 158万円 188万円 482万円

新聞広告などで4〜5万円のサーバ機が広告されているが、そのままではサーバとしては使えない。ハードディスクを2重化して、RAIDコントローラーを入れると15万円〜20万円はアップする。サーバソフトを入れて40万円くらいは必要。

パソコンは、1台あたり10万円程度のもので想定。(パソコンの選び方を参照

ソフトウエアは、中堅クラスで50万円と想定。クライアント側は1台20万円とする。
保守については、最低年間1台6万円くらいとして、4年間で想定。

 クラ・サバタイプで4年リースなどを組むと、払い終わる頃には600万円強くらいのコスト・コースになる。
 1台で使用する場合は、初期コストは多少掛かるものの、サーバ機(ハードディスクを冗長化)を選んだほうが安心、快適である。あるいは、ネットワークタイプのハードディスクで、ハードディスクがRAID構成されたものをLAN内に設置して、バックアップ・ソフトウエアで、自動的にバックアップすれば、「パソコン使用」に10万円程度の加算で、リスクは別として、手間の掛からない対応が可能である。

ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)タイプ

 2000年の現行の介護保険制度が開始された当初は大手企業も参入したのだが、イマイチ振るわなかったインターネットサービスのASP、大手も撤退をしてしまった。
 その理由は、ブラウザの機能に左右され、なおかつ中央処理(データセンターのサーバ処理)に起因する機能、性能の不足にあった。インターネット自体が現在のような“ブロードバンド”ではなく、ISDN(64K)だったこともあるだろう。
 国保連への給付請求が毎月1〜10日に集中するため、ユーザの業務処理も集中し、サーバに“行列”ができてしまう避けられない課題ではあるが、この要因でサーバ負荷の大きい処理(帳票作成など)はなるべく少なくしたいという考え方も出てくる。

 この課題を解決するためには、“ロードバランサー”というハードウエアにより、ユーザの要求を複数の処理サーバに効率よく分散することによって解決するが、そのための処理サーバの冗長化に大きなコストが必要となる。現状のサービスを提供している“サーバ処理型”のASPサービスを提供している運用会社は、常にこの体制(負荷分散)の強化を図りながら、サービス提供をしていることになる。

 しかし、2004年以降、時代は“ブロードバンド”の浸透による新しい技術が登場したことにより、負荷分散に伴うコストの低減が図られ、運用サイドとしてASPサービス化がかなり見直されている。
 また、IP-VPN(仮想LAN)を使用したクラ・サバタイプのASPもあるが、ユーザ側の運用コストが多少大きくなることが課題ではあるが、インターネット・インフラ業界の技術進歩で今後は改善されていくものと考えられる。

ASPが見直されいる理由は2つある。

1.

 3年、5年で制度の見直しがなされる介護保険制度では、制度変更のたびにソフトウエア・ベンダーの負担が大きい。この負担は開発コストに加え、CDを焼いて、梱包して、発送する送料、そして更新作業のサポート・コストと、開発費以上のコストが発生していた。この負担がユーザにそのまま被さるので、ユーザーの負担も大きくなった。
 パッケージソフト・ベンダーが、この課題を解決するには、それほど時間は掛からない。現状でもパッケージソフト・ベンダーの中にはインターネットに接続している条件で、“リモート(遠隔操作)”によるサポートサービスをしているケースが見受けられる。また、マイクロソフトがOSのアップデート・サービスを行うように、インターネットを活用した自動アップデートのシステムを採用すれば解決できる。
 その点では、ASPは、最初からインターネット活用のサービスである。運用側に保守・流通コストが不要であり、運用側にやさしく、ユーザーのコスト負担が低減されるという特色を持つ。定期的に制度改正を伴う介護保険制度など業務処理系システムには適していると言える。
 このASPのメリットは、パッケージソフトでも時間とともにインターネット活用が広まることによって、平準化されていくものと思われる。また、既になりつつある。

2.

 ASPは基本的にレンタルなので、高額リースのような借金にならない。導入初期から短期的に見れば、利用料金そのものが比較的“低価格”で、導入可能だ。
 但し、パッケージソフト・ベンダーの中にも、ソフトウエア・レンタルという考え方でASP同様に、「販売せず貸し出す」というサービスを行っているケースもある。ユーザーから求められる多様な要求にどのように対応するかが重要な鍵になるだろう。長期的に見れば、大きな価格さにならない場合もあるので、制度変更による更新料の負担がどれくらいか、またはパッケージソフトの価格帯などと併せて検討する必要がある。

 最近の傾向では、ASPの場合の価格差は提供する運営会社の考え方でかなり差が出ているようだ。居宅介護支援業務をとってみても、月額4,000円程度から2万円まで幅がある。業務処理に関わる基本的な“機能・性能”差に大きなものはないと思われるが価格差は大きい。
 ASP、パッケージを問わず、大切なチェックポイントは、サポート体制だろう。この“サポート体制の差”を埋める努力、運営会社の対応こそが大きな“求められる要素”であると筆者は考えている。

ASPの単純なコスト比較は下表のようになる。

使用条件は、居宅(ケアマネ2名)、訪問介護を実施している事業所と仮定し、居宅利用者50名、訪問介護利用者100名ヘルパー30名、PC3台(パソコンの選び方を参照)で使用するとする。

 

サーバ処理ASP
(K社)

リッチクライアントASP
(L社)

IP-VPNのASP
(S社)

パソコン(3台) 30万円 30万円 30万円
初期費用 18万円 13万円 45万円
導入研修費用 初期費用に含む 5万円 未確認
月額利用料 4.4万円 3.5万円 9万円
回線料金/月額 3000〜6000円 3000〜6000円 8000〜1.2万円
保守 なし なし 不明
4年合計 260万円 216万円 531万円

回線料金は、加算していないが、IP-VPNタイプはVPNを使用する関係で、グループアクセスなどの料金のみ加算している。

「K」社については、居宅とサービス事業を併用した場合に月額料金が“20%”割引になるということで、減額している。

「K」社の導入研修費用が「初期費用に含まれる」点については、HP上での記載はないが、直接K社から申し出があったので記載する。

IP-VPNタイプは、ASPというよりは、パッケージソフトのクラサバ型(広域)なので、近年のインターネットのインフラという面では、古いタイプのネットワークとも言える。比較としては適さない面もある。しかし、全世代では、広域ネットワークでは、この仮想専用線タイプはセキュリティの高いネットワークであった。
最近は、SSLサーバ証明や暗号化、あるいはIPSやIDSなどの進化により、通常のインターネットのセキュリティも高い。

 こうしてコストを4年のランニングコストとして比較すると、同一条件下での使用でのコスト比較では、“パッケージソフト”の半額弱で、ASPが利用できる。但し、パッケージソフトの価格帯は20万円前後から70万円前後と幅が広い。今回は中間帯での比較なので、低価格帯で比較すれば、ほぼ同等というところだ。
但し、リッチクライアントタイプのASPは、ブロードバンド回線で速度が要求される。事務所のある地域が光ファイバーが使用できるか、あるいはADSLの基地局からの距離によって減衰していないか、などの諸条件が性能面を左右するので、事前の確認が必要だ。

 コスト比較では、パソコン1台と割り切れば、パッケージソフトをスタンドアローンで使用することがコスト的には一番コストが低いが、本来、業務処理効率や手間を考えれば、クラサバ仕様やASPが適している。現状の規模とコストのバランスで選択することをお薦めする。

 今回の比較では、パッケージソフト使用でのサーバ管理者など間接経費を考慮していないが、実際に運用が始まれば、クラ・サバタイプにした場合、サーバ管理のための人件費や委託コストが発生する可能性はかなり高い。この点についてもソフトウエア・ベンダーのサポート次第という面は否めない。

介護保険制度に関して業務処理を行う場合、目的が特定されているので、基本的な機能差は少ないと思われるが、ユーザーの利便性をいかに考慮・検証しながら、開発をスパイラルに実行しているかが、ソフトウエアベンダー側に求められる要素である。
価格コストや機能の多少の差よりも、ソフトウエア会社側にユーザーとともに常に成長するという体制と意思があるか否か、介護業務処理ソフトを選ぶ大きなポイントになるはずだ。

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